喪女の春
二十歳を過ぎて、お酒を合法的に飲めるという大義名分をえてから、なにかにつけてお酒の力を借りてきた。
人と仲良くなるのにも、本音を話すのも、なにもかも。
そんな、何かの力を借りなくてはやっていけなかったツケがついに回ってきた。
恋人ができた。
何を思ってこんなくそ女に愛の告白をしてくれたんだかしらんが、これ逃したら人生お先真っ暗やぞ……って感じだし、有難いのでお受けした。
めでたしめでたし。
……では終わらないんだなこれが。
大事なことを忘れてた。
根っからの喪女なんだわ、私。
外に出かけるのなんて、アニメ関連のイベントがあったときぐらい。
クリスマスは家で過ごしたいし、年末年始も家で過ごしたい。
家族大好き。
寒いの無理。
家にいたい。
はい、ここから導き出される結論は?
A.お付き合い無理だった。
今までお酒の力を借りて仲良くなったのに、いきなり素面とか無理。
死ぬ。
死んでしまう。
だって空気が重いんだもの。
どうすんのこれ。
なんで私だった?
ほかの人でよかったやろ、ごめんな。
タイムリープしたい。
時よ戻れー的なね。
前向きに頑張ってみるけど!!!!
数日後死んでたらお墓たてといて。